YouTube革命 テレビ業界を震撼させる「動画共有」ビジネスのゆくえ

YouTube革命 テレビ業界を震撼させる「動画共有」ビジネスのゆくえ 人気ランキング : 3796位
定価 : \735
販売元 : ソフトバンククリエイティブ
発売日 : 2006/12/16
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : \735

既得権益の危機

ビデオジャーナリスト、神田敏晶氏の最近の著書です。YouTubeに焦点を当てて、YouTubeが社会に与える影響を考察しています。

 私のYouTubeに対するイメージは、「著作権を無視した違法コンテンツの宝庫」というものでしたが、
同氏はYouTubeやWinnyの誕生によって、著作権そのものの概念が変わりつつあると指摘します。

「日本のように、これまでの著作権の概念に囚われ、既存のビジネスモデルを継続するためにYouTubeを提訴しているようでは、今後行き詰まる」という意見に同感です。

Google同様に、YouTubeの発展によって最も影響を受けるのは、収入を既存の広告に頼っているマスメディアであろうと述べています。

また、日本と違いアメリカという国は、既存ビジネスを脅かす新たな技術の登場を前向きにとらえ、積極的に活用しようとするチャレンジ精神に溢れた国だなぁと、つくづく感じました。

Youtubeについて、一通り分かります

ビデオジャーナリストの著者が、今はやりのYoutubeについて、その革新性、魅力・ビジネスモデル等等について説明しています。実際にView数の多い作品の紹介も多数あり、思わず実際にYoutubeで一つ一つ見てしまいました。

また、放送など旧メディアとの関係、著作権の話題など、関連する話題は一通りカバーされています。巻末には、サイトのレイアウト・説明までついています。

Youtubeについて、一通り分かります。グッドです。

内容に何の意味があるのだろう

http://blogs.itmedia.co.jp/knn/2007/01/06/index.html
http://blogs.itmedia.co.jp/knn/2007/01/07/index.html

こんな人の書いた本の内容に何の価値があるのでしょうか?

内容が薄い

よくあるWeb2.0称賛本にまた薄い一冊が加わった、というところ。YouTubeに人並みの関心があって日常的にブログ界隈の話題を追いかけているような人にとっては特に新鮮な話題は取り上げられていないし、実証的な議論はほとんどありません。
著者はビデオジャーナリストとしてYouTubeにもチャンネルを持って積極的に利用しているようなので、もっと映像を提供する側からの当事者的なディープな話題を取り上げて欲しかった。
"YouTubeって最近良く聞くけど、それって何?" という人にはいいかもしれないけど、本読んでる暇あったら実際にサイトを見てみたほうが早いしなあ。

YouTubeの「ヤバさ」より「すごさ」を説いた画期的なビジネス書

ビジネス視点でYoutubeが語られる時、彼らが抱える問題点をあげつらって
そのポテンシャルを全否定してしまうような言説が少なくない。
そんな中で、動画共有のすごさをビジネスやライフスタイルなど
さまざまな角度から大真面目に考察した貴重な一冊である。

「こうなりつつある」という現状認識と「こうなって欲しい」という著者の思い込みが
混同されがちな傾向はあるものの、メディアのパワーシフトは避けられないだろうし、
著作権の観点から脊髄反射的にYouTubeを否定するより、利用するすべを考える方が
生産的であるとする主張は正しいと思う。

ユーザーによるバイラル(口コミ)CMの効果や、企業発信映像の事例など、
著者の主張を裏付けるエピソードもバラエティに富んでいて、それぞれ面白い。

YouTube革命が成就するのか誇大妄想で終わるのかは、まだ誰にもわからない。
しかし、冷静になることは悲観的になることと同じではない。
未来が変えられることを少しは信じてみようかと、前向きな気持ちにさせてくれる一冊だ。